子育て世代は投資を始めよう~口座開設時の注意

「一緒にやってもらって良かったです」
「一人でやると、心が折れてやめてしまうところでした」


これまで投資をしていなかった方が口座開設する時に、投資の専門用語にやられてしまって、戸惑うことが多いようです。そんな時、横について質問に答えながら開設を手伝うと感謝されます。投資を始めようと思っても入り口(口座開設)で頓挫してしまっている方が多いのではないでしょうか?

前回記したネット証券大手(SBI、マネックス、楽天)は、いずれもホームページにある口座開設ボタンをクリックし、質問された個人情報を記入をしていくと契約できます。マイナンバーカードがあると非常に簡単に開設出来ますし、2021年10月から保険証としても使えます。もしマイナンバーカードを持っていない方は証券口座開設を機に作っておくと良いかもしれません。マイナンバーカードがなくても口座開設は可能ですが、郵送による手続きが必要となります。未成年者の口座開設には、親権者の口座開設も同時に必要となります。

よく聞かれることとして、非課税口座であるNISA口座(一般とつみたて)と課税口座(特定と一般)をどう選べばいいのか、iDeCoも同時に始めたほうがいいのか、があります。

NISA(Nippon Individual Savings Accountの略、ニーサ)とは、小額投資非課税制度のことです。わかりやすく言うと、年間に一定の金額までの投資に関しては、利益が出ても課税がされない制度です。通常の課税口座では、利益に対して約20%課税されますが、NISA口座では課税されません。



(例)100万円で購入した株式が、値上がりして150万円で売却し50万円の利益が出たとします。
 NISA口座:50万円がそのまま利益となる(課税されない)
 課税口座:50万円の20%、すなわち10万円が税金として引かれて、40万円の利益となる。



上記のようになり、当然NISA口座で投資をした方がいいですよね。
NISA口座には3種類があり、成人が開設できる「一般NISA」と「つみたてNISA」、未成年が開設できる「ジュニアNISA」があります。



それぞれの違いを見ていきます。


一般NISA、つみたてNISA、ジュニアNISAの違い  晴耕雨読 作成





成人が開設するときには、「一般」か「つみたて」を選ぶことになります。一般NISAは株式(個別株)を選ぶのが得意な方や資金にゆとりのある方がおすすめですし、つみたてNISAは投資初心者で、年間40万円(約3万3千円/月)を長期間かけて投資信託に投資する方におすすめです。

投資信託とは、簡単にいいますと個別の株式をまとめた商品です。S&P500(アメリカ)や日経平均(日本)などの市場全体に投資する商品や、あるテーマに沿った株式を集めた商品があります。投資信託にも、上場投資信託(ETF)という株式と同じように株式市場で扱われる商品があります。

未成年者の口座開設の場合は、ジュニアNISA一択です。口座開設が2023年で終了となりますが、20歳までは非課税での運用が続きますので、子供の大学費用などに役立てられます。2022年からだと、合計160万円投資可能です。


NISA口座で投資する資金以外にも、余裕資金がある場合は課税口座で投資できます。またNISA口座で購入した商品で、非課税期間が過ぎた商品は課税口座に移管されます。課税口座には、特定口座(源泉徴収あり、なし)と、一般口座があります。投資を始める時は、特定口座(源泉徴収あり)を選ばれると確定申告が不要で便利です


最後にiDeCo(個人型確定拠出年金、イデコ)について説明します。iDeCoは簡単に言いますと、自主的に積み立てることができる私的な年金です。メリットは2点あり、所得控除されること(節税)非課税で運用されることにあります。皆様は、ご自身の所得課税率をご存知でしょうか?日本の所得税は累進課税制度であり、以下のように課税所得とともに税率も上がります。

課税所得に対する所得税率  晴耕雨読 作成



一度、シュミレーションしてみましょう。

(例)会社員で企業年金がない方は2万3千円/月拠出できます。課税所得が600万円の方で、2万3千円を12ヶ月拠出するとします。
 そうしますと所得控除額の計算式は、23000円×12ヶ月×0.2=55200円
 となり、年間55200円の節税となります。仮に30歳から60歳まで拠出を続けますと165万6千円の節税となりますので、かなり大きな額と言えるのではないでしょうか。
 
拠出した資金で購入する商品について、若い間はアップダウンがありながらも右肩上がりの成長が期待できるS&P500などの株式市場全体に連動する投資信託に、退職間際では変動が少ない債券などの投資信託にスイッチするのがおすすめです。

デメリットとして、60歳まで資金を下せないこと(拘束される)が挙げられます。



以上まとめますと、皆様の今後の資金需要(教育資金、住宅資金、老後資金)と投資に使える資金に応じて、NISAを「一般」にするか「つみたて」にするか、またiDeCoも始めるかを検討して頂けたらと思います。課税口座は、源泉徴収ありの特定口座を選んでおくと確定申告が不要で便利です。



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