「配当金は、再投資すべきでしょうか」
「複利って何ですか」
S&P500指数やCRSP米国総合指数に連動する上場投資信託(ETF)のVOOやVTIは、年4回の分配金(配当金)が出ます。
これまでVOOやVTIの分配金利回りは年間1から2%程度です。例えば、株価200ドルで利回り1.5%ですと3ドルもらえます。このたった3ドルですが、もらった時に使ってしまうのと株式を買い増す(再投資といいます)のとでは、後々で大きな違いを生み出します。
計算してみましょう。
S&P500指数は過去30年で年間約10%の利回りで上昇しています。保守的に見積もって株価自体が年率6%の利回りで上昇し、そこに分配金が1.5%もらえると仮定します。今回の計算では、税金は考慮しないとします。1年目に100万円分のVOOあるいはVTIを購入し、分配金を使うか(現金として残しておく)、あるいは再投資するかで計算します。
1. 分配金を使う(現金として残しておく)場合
6%の株価上昇分として前年の株式額に1.06を掛け算し翌年の株式額を算出します。また分配金1.5%分は、その年の株式に0.015を掛け算して算出しています。
株式(ETF) 分配金 合計
1年目 100万円 1万5000円 101万5000円
2年目 106万円 1万5900円 107万5900円
3年目 112万3600円 1万6854円 114万454円
4年目 119万1016円 1万7865円 120万8881円
5年目 126万2476円 1万8937円 128万1413円
6年目 133万8225円 2万73円 135万8298円
7年目 141万8519円 2万1277円 143万9796円
8年目 150万3630円 2万2554円 152万6184円
9年目 159万3848円 2万3907円 161万7755円
10年目 168万9478円 2万5342円 171万4821円
11年目 179万847円 2万6862円 181万7710円
12年目 189万8298円 2万8474円 192万6773円
13年目 201万2196円 3万182円 204万2379円
14年目 213万2928円 3万1993円 216万4922円
15年目 226万903円 3万3913円 229万4817円
16年目 239万6558円 3万5948円 243万2506円
17年目 254万351円 3万8105円 257万8456円
18年目 269万2772円 4万391円 273万3164円
19年目 285万4339円 4万2815円 289万7154円
20年目 302万5599円 4万5383円 307万983円
2. 分配金を再投資する場合
再投資する場合は、株価上昇の6%と分配金の1.5%を合計して年利7.5%で増加するため、前年の株式額に1.075を掛け算して翌年の株式額として算出しました。
株式(ETF)
1年目 100万円
2年目 107万5千円
3年目 115万5625円
4年目 124万2296円
・ ・
・ ・
・ ・
20年目 395万1489円
3. 銀行に預ける、タンスに寝かしておく
現在の銀行利回りは0.001%ですので、増えません。
現金
1年目 100万円
20年目 100万200円(銀行)、100万円(タンス)
銀行やタンスに預けておいても、20年後に全く増えていません。1では分配金を再投資していないにも関わらず、元本が毎年6%ずつ増えていくので20年後には3倍になっています。さらに2では分配金を再投資していますので、20年後には約4倍となっています。分配金を再投資することによって、分配金がさらに分配金を生み出すことになるため、雪だるま式に増えていきます。このように再投資することによって増えることを複利と言います。正確には、株式自体も毎年複利で増えていることになりますが、分配金(配当金)を追加することでさらに雪だるまが大きくなります。このように資産を増やす時は、分配金には手をつけずに再投資することが賢明です。
当然ながら、短期間ではリーマンショックやコロナショックのような暴落もあり、毎年必ず増加するとは限りません。あくまで長期間で投資を行うことが大前提となります。
子育て世代の皆様も、退職まで時間がある場合は複利の力を活かしましょう。
複利の力で選択肢(仕事内容、住宅、子供の教育、旅行など)が増えます。
相対性理論を発見した天才物理学者のアルバート・アインシュタインは言っています。
「複利は人類による最大の発明だ。知っている人は複利で稼ぎ、知らない人は利息を払う。」
アインシュタイン似顔絵 晴耕雨読 妻 作成 |
コメント
コメントを投稿