つみたてNISAと一般NISAのどちらがいいか。月10万円X20年ならほぼ同等。

 つみたてNISAは、年間40万円まで投資可能で、非課税期間は20年間です。

一方、一般NISAは、年間120万円まで投資可能で、非課税期間は5年間です。


つみたてNISAでも一般NISAでも、非課税期間を過ぎた分は特定口座に移管されて、非課税期間を過ぎた時の価格からスタートして売却時に値上がり分に課税されます。



図(非課税期間が過ぎてからの課税について、一般NISAの例


一般NISA非課税期間終了後(5年後以降)の課税に関して




つみたてNISAでは月に約3万3千円まで、一般NISAでは月に10万円まで投資することが可能です。投資に回せるお金が3万3千円までであれば、非課税期間を考慮して、つみたてNISAの一択ですが、例えば10万円あれば、どちらがいいでしょうか。


月10万円の投資、20年間運用を想定

 1)つみたてNISA利用;つみたてNISAに3万3千円、特定口座に6万6千円。つみたてNISA分は20年間非課税で、特定口座の値上がり益に対して約20%課税される。

 2)一般NISA利用;一般NISAに10万円。5年間は非課税で、5年後の特定口座移管時の価格から20年後の値上がり益に対して、約20%課税される。


そこで、月に9万9千円(約10万円)で、投資信託(例えば、S&P500指数や米国CRSP指数に連動するもの)を購入し、仮想利回り年8%でシミュレーションしました。


1)つみたてNISA利用;

  つみたてNISA、月3万3千円x20年で、20年間で元本792万円に対して、1943万円7700円に値上がり。

  残りの6万6千円x20年を特定口座で運用すると、元本1584万円に対して、3887万5300円となり、値上がり益に対する課税(約20%)を差し引くと、3426万8240円となる。

  合計で、5370万5940円



2)一般NISA利用;

  月9万9千円を一般 NISAで運用すると5年間非課税となります。少し計算がややこしくなります。例えば、1年目に購入した分は5年間非課税で、残りの15年間は特定口座に払い出されます。2年目は14年間特定口座に、3年目は13年間特定口座に払い出されます。一方16年目以降は、NISA口座のみでの運用となります。1年目から15年目までは、20年目の終わりの時点で特定口座に移管してからの値上がり益に対して約20%課税されます。




計算すると、5371万3636円となりました。



驚くべきことに、月約10万円x20年間ですと、つみたてNISAでも一般NISAでもほぼ同じ結果が返ってきました。投資信託を買うなら、どちらでも同じなんですね。




毎月の投資額や投資期間が変わると、結果が変わってきます。

計算式上は、投資額が月10万円より減ると、つみたてNISA利用における非課税割合が増えますので、つみたてNISA利用が有利ですね。投資額が10万円より増えても、それぞれの特定口座分が増えるだけですので一般NISAが有利になることはないです。

一方、投資期間を20年より短くすると、つみたてNISAの非課税期間を有効活用できないため、一般NISAの方が有利です。


以上を踏まえると、若い世代(20歳代、30歳代)では、つみたてNISA口座が多くて、中高年(40歳、50歳以上)の世代に一般NISA口座が多いのは、理にかなった選択をされた結果と言えます。


つみたてNISAは投資信託しか購入できないですが、一般NISAは、個別株やETFも購入できることを考えると、投資資金が多い・投資に慣れている・割と短期間でまとまった資金需要(住宅ローン、住宅の修繕費、旅行費用、車を買うなど)がある、中高年に向いているかもしれません。反対に、投資資金が少ない・投資を始めたばかり・直近に資金需要がない・投資期間が長い、若い世代はつみたてNISAがいいかもしれませんね。




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