依存症史研究の第一人者のデイビット・T・コートライトは人類に最も大きな健康被害をもたらしている薬物として、アルコール、ニコチン、カフェインを挙げ、ビッグスリーという名称を与えたそうです。これらの薬物の製品には、お酒、タバコ、コーヒーがあり、いずれも大ファンがついていて、どんなに不況になっても購入をやめられない人が一定数います。
私は、かつてお酒に魅了されて、ついつい飲みすぎてしまいました。おいしいお酒との出会いを探して、いろんな酒類(ビール、日本酒、ワイン、ウイスキー)を試しましたが、全てに魅了されてしまいました。しかし、ある日お酒が生活の中心になっていることに気づき、現在は完全にやめています。アルコールには人生の方向性を見失ってしまう作用もあるようです。タバコには、幸い魅力を感じなかったので、喫煙することはありませんが、周囲にいる愛煙家に聞くと、アルコールは止めれてもタバコをやめることはできないそうです。最後にコーヒーですが、コーヒーにもいろいろな種類があって、自分好みにカスタマイズ出来るのが面白く(豆の産地、豆の煎り方、豆の挽き方、抽出方法)、毎朝楽しんでいます。コーヒーを飲むと頭が冴えて仕事もはかどります。
これらの製品の特徴として、依存性があり止められない(継続消費されやすい)、景気後退に強い(ディフェンシブ)、原価が安く利益率が高い、といった点が挙げられます。投資家としては、これらの嗜好品を扱う企業に投資したくなります。今回は、依存薬ビッグスリーを扱う企業の深掘りをしてみたいと思います。
1、お酒(アルコール)
投資軸
世界的な飲酒人口は微減
→ プレミアム化(量より質)で利益は維持・成長新興国(インド・アフリカ)の伸び
代表的企業
ディアジオ(DGE):英国大手酒造メーカー。スコッチ・高級酒の王者
ABインベブ(BUD):コロナビール、ヒューガルデン、バドワイザーなどお馴染みのビール
キリンHD、アサヒG:日本大手飲料メーカー
リスク
健康政策・酒税強化
若年層の飲酒離れ
2、タバコ(ニコチン)
投資の軸
世界最強クラスのキャッシュフロー
値上げ耐性が異常に高い
自社株買い・高配当の代表格
代表的企業
● フィリップ・モリス(PM):加熱式IQOS
● ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BTI):ケント、ラッキーストライクなど
● アルトリア(MO):マルボロ
● 日本たばこ産業(JT):セブンスター、ピースなど
3、コーヒー(カフェイン)
投資の軸
社会的に最も許容されている依存薬
習慣化+ブランド力が最強
規制リスクがほぼゼロ
代表的企業
ネスレ(NESN):スイスの大手飲料メーカー
スターバックス(SBUX):家でもない職場でもないサードプレイスを提供
モンスタービバレッジ(MNST):甘味料が入ったカフェイン飲料
コカ・コーラ(KO):実は最大級のカフェイン企業
特徴
健康意識が高まっても「ゼロにはならない」
在宅勤務・高齢化社会と相性が良い
以上、お酒、タバコ、コーヒーを扱う企業の特徴を箇条書きで整理してみました。
ざっと見て、高額な施設投資を必要としない、比較的長い歴史を持つ企業が多いことがわかります。キャッシュフローが潤沢で、自社株買いや高配当といった形で、事業から得た収益を投資家に還元している点も共通しています。
これらの企業が多額の税収を生み、多くの雇用を支えていることから、なくなることはないと言えます。薬物を扱う企業への投資は、長期投資家目線では非常に優れた選択肢だと思っています。
一方で、アルコールやニコチンなどの過度の使用は、健康問題(肺癌、喉頭癌、肝硬変、肝癌、不整脈など)や社会的問題(離婚、自殺)につながることが知られています。人類の歴史の中で、これらの薬物に対して禁止や高い課税による抑制を試みられてきましたが、明確な答えはいまだ出ていません。一般消費者の立場から見れば、「足るを知る」ことが大切だと思います。何事もほどほど、が肝要です。
我が家では、アルトリア(MO)、スターバックス(SBUX)、コカ・コーラ(KO)に投資しています。世界中の愛煙家、コーヒー愛好者の「やめられない日常」から生まれる収益の一部を、株主として受け取っています。
嗜好品との付き合い方は人それぞれですが、健康を害さず、社会的問題を起こさない程度に楽しんでいただきたいですし、または自分も続けたいと思います。投資家としては、冷静に事業からの収益を積み上げていきたいと考えています。
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