子育て世代は投資を始めよう〜何に投資するか③


「投資信託や上場投資信託(ETF)ってどうやって選べばいいんですか?」



 前回の「何に投資するか②」でS&P500指数やCRSP米国総合指数に連動する商品がおすすめですとお伝えしていました。この指数に連動する投資信託やETFは複数あり、また他にも様々な指数が存在します。ファンドマネージャー(投資信託の責任者)が自己の判断で株式を運用する投資信託もあり、皆様の選択肢は無数にあります。これらの投資信託や上場投資信託(ETF)の中から皆様にとっていい商品(=容易に資産形成ができる)を選択するにあたって、あらかじめ調べておく点が4点あります。


1. 株式銘柄の分散の程度

 投資信託やETFに含まれる株式銘柄数が少ないと、一つの銘柄の成績に大きく左右されますので銘柄数は多い方がいいです。一般的に80〜100銘柄数以上あれば、分散が効いていると考えられます。S&P500指数は500銘柄、CRSP米国総合指数は約4000銘柄と十分に分散されています。


2. 運用方法(パッシブか、アクティブか)

 パッシブ運用(インデックス運用)は、指数(インデックス)に連動する比較的新しい運用方法であり、指数の定義に従ってポートフォリオを機械的に運用します。一方、アクティブ運用は、ファンドマネージャーが株価の上昇しそうな銘柄を選択し、運用する従来の方法です。アクティブ運用は短期的にはパッシブ運用を上回ることがありますが、長期的にはパッシブ運用の方が有利とされています。VOO、SPY、IVV、eMAXIS Slim S&P500はいずれもS&P500指数に連動し、VTI、楽天全米インデックスファンドはCRSP米国総合指数に連動するパッシブ運用の商品です。


3. 経費率(信託報酬)や購入・売買時の費用

 投資信託やETFを運用する会社は、株式の売買を行っています。指数に連動する商品の場合は、機械的に売買するだけで良いですが(コストがかかりにくい)、ファンドマネージャーが株式選択を行っている場合は、コストが高くなります。そのため、パッシブ運用(インデックス運用)の方がアクティブ運用よりも経費率(信託報酬)は低く設定されています。経費率(信託報酬)の目安として0.03~0.2%の商品ですと十分に安いと言えます。2~3%ですとかなりの割高です。この経費率(信託報酬)は毎年発生します。その年の成績が良かろうが悪かろうが関係ありません。

 仮に1000万円分の投資信託を10年間持っているとします。経費率0.03%ですと、10年間で必要な経費の計算式は1000万円x0.0003x10年であり3万円の経費となりますが、一方経費率3%ですと1000万円x0.03x10年となり、なんと300万円も経費が必要となります。経費はより安い方がいいです。

 VOO(S&P500指数に連動)やVTI(CRSP米国総合指数に連動)の経費率は0.03%と極めて安い経費率に設定されています。

 購入・売買時の費用に関して、VOOやVTIなどの上場投資信託(ETF)では、通常の個別株と同様に円からドルに替える手間と費用、さらに購入・売買時のコストが発生します。しかし証券会社によっては、キャンペーンを行っていて、VOO、VTIなどの有名なETFの買付け手数料を無料にしています(マネックス証券、楽天証券、SBI証券など)。一方、投資信託は売買時のコストが無料(ノーロードと言います)の商品がありますeMAXIS Slim S&P500や楽天全米インデックスファンドはノーロードです。


4. 商品の規模(純資産総額)

 純資産総額は、投資家から預かっているお金の総額です。 純資産が多いとその商品は人気があり、継続していく商品である可能性が高いです。一方、純資産が少ないと運用ができなくなり、繰上げ償還(商品が終了となる)されたり、流動性が乏しくなり容易に売買ができないこともあります。純資産総額が10億円程度ですと、繰上げ償還のリスクがあります。

 VTIは33.2兆円、VOOは31.7兆円と十分な純資産総額があります。



以上から、VTI、VOO、SPY、IVV、楽天全米インデックスファンド、eMAXIS Slim S&P500は長期間のインデックス投資を行うにあたって、非常におすすめの商品と言えます。


上記の4点は、購入前に容易に調べることができます。発売元の投資会社あるいは、証券会社のホームページにも記載されています。購入前にぜひチェックしてから選びたいですね。

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