子育て世代は投資を始めよう〜投資信託と上場投資信託(ETF)の共通点と違いについて

 

「S&P500指数やCRSP米国総合指数に長期投資する事はわかりました」

「で、投資信託とETFのどちらを選べばいいんでしょうか」


何に投資するか③」で紹介していましたS&P500指数やCRSP米国総合指数は、リーマンショックやコロナショックなどの暴落がありながらも、長期的には年平均10%程度の利回りで右肩上がりに上昇しています。銘柄も十分に分散され、経費率も低いため10年20年以上の長期で資産を形成するには、非常に有効な投資対象と考えられます。

S&P500指数やCRSP米国総合指数に連動する投資信託とETFの種類 
晴耕雨読 作成




S&P500指数やCRSP米国総合指数に連動する投資信託や上場投資信託(ETF:Exchange traded fundは上記ですが、まずは投資信託とETFの共通点と違いを見ていきましょう。



●共通点

いずれも投資会社が、様々な株式や債券を購入して袋詰めにした商品です。S&P500指数やCRSP米国総合指数だけではなく、日本を含めて世界中にある様々な指数に連動する投資信託やETFがあります。また「何に投資するか③」で示していましたように、アクティブ運用されている投資信託やETFもあります。投資信託やETFを保有している期間中に手数料として経費(信託報酬)を投資会社に支払うことになります。銀行や郵便局と比較して証券会社では、経費率が低い投資信託が扱われていることが多いです。




●違い

一番の違いは、証券取引所に上場されているかどうかです。投資信託は、上場されていないため、証券会社・銀行・郵便局で買付・売却ができます。一方、ETFは証券会社でのみ買付・売却ができます。買付・売却時の価格に関して、投資信託では価格がわからない状態で発注し、翌営業日に価格が決定されます。ETFは証券取引所で扱われていますので、リアルタイムに価格を見ながら発注ができます。

買付・売却時の手数料に関しては、投資信託ではノーロードと言って無料に設定されている商品があります。ETFは個別株式と同じように買付・売却時の手数料が必要となってきますが、各証券会社でキャンペーンを行っており、例えばマネックス証券ではVTI、VOO、SPY、IVVなどのメジャーなETFは買付時の手数料が無料(正確には後日キャッシュバック)となっています。

経費率(信託報酬)に関しては、投資信託よりもETFの方が低く設定されていることが多いです。

株式における配当金に該当する分配金が投資信託やETFにも存在します。VTI、VOO、SPY、IVVは年4回の頻度で分配金がETF保有者に支払われていますが、投資信託であるeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)や楽天・全米インデックス・ファンドは販売が始まってから2022年1月現在まで分配金の支払い歴はありません。

投資信託は100円以上から1円単位で購入が可能ですので、小額から買付や積み立てが可能です。一方で、ETFは1株単位で扱われています。2022年1月現在で、VTIは1株あたり約235ドル(2万7千円程度)、VOOは約435ドル(約5万円)といった値段で売買されているため、ある程度まとまった資金が必要です。

投資信託の買付は、証券会社で定期的な入金から自動買付までが設定できますので、非常に簡単です。一方、VTIやVOOなどのETFはまず円からドルに変換しないといけないこともあり、自動買付が困難です(今後出来るようになる可能性はあります)。

最後に投資信託は、一般NISA、つみたてNISA、ジュニアNISA、iDeCoでの買付・売却が可能です。一方、ETFは一般NISA、ジュニアNISA(東証上場のETFは売買可能、海外のETFは証券会社による)での扱いとなります。特定口座や一般口座では両方扱われています。




以上から考えますと、投資に回せる資金が少ない場合は、非課税の制度を用いてつみたてNISA(年間40万円まで)やiDeCO(会社員;年間27万6千円まで、公務員;年間14万4千円まで)で投資信託を購入します。

資金が多い場合はつみたてNISAではなく一般NISA(年間120万円まで)で運用するのも一案です。一般NISAは投資信託とETFいずれも購入できますので、経費率の低いVTIやVOOを購入するのもいいかもしれません。


また子供の教育費としてジュニアNISA(年間80万円)も運用するのも一案です。2023年末でジュニアNISAの制度が終了し、2022年と2023年の2年分(合計160万円)の拠出となりますが、子供が18歳になるまでは非課税で運用でき、2024年以降は引き出すことが出来るようになります。

それでもなお、資金が残っている方は、特定口座を使って運用することになります。

子育て世代で、投資を始めたばかりであれば、自動入金で投資信託を定期買付するように最初に設定しておくと手間が省けて効率がいいと思います。少し投資に興味が出てきて、手動での購入を厭わない方は、市場の動きを見てETFが希望する価格になった時に買付・売却をすると株式市場の醍醐味を味わえて面白いです。







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