子育て世代は投資を始めよう〜VOOとVTIを販売するVanguard社について

「VOOやVTIはどこの会社が販売していますか」

「どのようにして生まれたんでしょうか」


投資信託やETFを販売している投資会社を気にする方も中にはおられると思います。

ここでは、VOO(S&P500指数に連動するETF)やVTI(CRSP米国総合指数に連動するETF)を販売している投資会社のVanguard社を紹介します。


「何に投資するか③」で投資信託の運用方法としてパッシブ(インデックス)とアクティブがあることを紹介していました。


パッシブ運用は、S&P500指数やCRSP米国総合指数などの予め設定された指数に連動する運用方法で、非常に低コストで運用されているため、投資する側にとって非常に有益な運用方法です。一方、アクティブ運用はファンドマネージャーが株式銘柄を売買し、短期間ではパッシブ運用を上回ることがありますが、長期間にはパッシブ運用の方が優れていることが証明されてきています。


The Vanguard Group, Inc.   晴耕雨読 妻 作成


このパッシブ運用を1970年代に始めたのが、米国のVanguard社です。Vanguard社は、世界有数の投資会社の一つで、ジョン・クリフトフ・ボーグル(愛称ジャック・ボーグル)が1975年に創設しました。Vanguard社が低コストのパッシブ運用を始める以前は、アクティブ運用が投資の世界ではスタンダードであったため、予め決められた指数に連動するだけの運用方法に対して、当然ボーグルに批判が集まりました。

しかし、時間の経過とともにボーグルのインデックスファンドの運用成績が優れていることが証明され、受け入れられるようになりました。

運用成績が優れている理由の一つに、低コストであることが挙げられます。投資家が、投資会社に支払うコスト(経費、信託報酬)が少ない分、運用を底上げすると考えられています。仮に同じ指数に連動するようなファンドであっても、コストが低いファンドと高いファンドでは、当然コストが低いファンドの方が成績が良くなります。


計算してみましょう。

例えば、仮にS&P500指数に連動するファンドAとBがあり、ファンドAの信託報酬が0.03%で、ファンドBの信託報酬が1.5%とします。S&P500指数は過去に実績に基づき、保守的に見積もって年利8%で上昇すると仮定します。100万円分を20年間保持したとして計算しました。


1. ファンドA S&P500指数に連動(年利8%で上昇)、信託報酬0.03%

年利8%から信託報酬0.03%を引いた7.97%分毎年上昇するとして計算します。


1年目 100万円

2年目 107万9700円

3年目 116万5762円

10年目 199万4012円

20年目 429万2980円



2. ファンドB  S&P500指数に連動(年利8%で上昇)、信託報酬1.5%

年利8%から信託報酬1.5%を引いた6.5%分毎年上昇するとして計算します。


1年目 100万円

2年目 106万5000円

3年目 113万4225円

10年目 176万2570円

20年目 330万8586円


以上のように、低コスト(信託報酬0.03%)のファンドAは、従来のコスト(信託報酬1.5%)のファンドBと比較して、短期では差がないものの長期間には大きな差が出ています。Vanguard社が提供するファンドにように信託報酬が低コストであることが、投資家にとって非常に大切です。



また他の投資会社と比較してVanguard社のユニークなところは、株式上場していないことが挙げられます。通常、他の投資会社は上場しているため、顧客(投資家)と株主の両方に利益をもたらすように運営しないといけません。しかし、Vanguard社には株主が存在しないため、ファンドの運用にかかるコストを低く設定することができます。コストを低くすることで運用成績が向上するため、顧客(投資家)の利益に注目した運営となります。



ジャック・ボーグルが発明した低コストのインデックス投資を皆様も始めては如何でしょうか?


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