野菜や米づくりをしていると、4月から6月は1年の中でも最も忙しい時期です。
冬に植えた玉ねぎやそら豆を片付け、土を起こし、石灰や有機肥料を入れて耕します。そしてトマト、きゅうり、なす、ピーマン、スイカ、メロン、さつまいもなどの夏野菜を植え付けます。
米づくりでも、苗代(苗づくり)、代かき(水田の準備)、田植えと作業が目白押しです。
農業を続けていると、私はよく「野菜作りと株式投資はよく似ているな」と感じます。
野菜作りでは、種や苗を植え、肥料や水を与えながら成長を待ちます。そして収穫した野菜が、最初に投じた種や苗の何倍もの価値を生み出してくれます。昨年採れた種を利用できれば、その投資効率はさらに高くなります。言うなれば、野菜に働いてもらうわけですね。
株式投資も似ています。企業の株式を購入し、その企業が利益を生み出し、配当金として還元してくれます。その配当金でさらに株式を買い増せば、より多くの配当金を生み出してくれます。企業に働いてもらいます。
また、畑作りでは一種類だけを作ることはあまりありません。天候や病気による不作のリスクがあることや、成熟する時期(食べられる時期)が異なるため、複数の野菜を育てます。
株式投資でも同様です。一社だけに集中するのではなく、複数の企業に分散投資することでリスクを下げます。
さらに野菜作りでは、自分が作り方を理解出来る、扱いやすい野菜を中心に作っています。私は、ほうれん草など葉物野菜の栽培があまり得意ではありません。
投資でも、自分が理解できる業種を中心に投資します。私の場合は医薬、金融、小売業は比較的理解しやすい一方、ハイテク企業の分析は苦手です。ハイテク企業の投資、難しくないですか?
そして野菜にも個性があります。
トマトは水を与えすぎない方がよく育ちますし、豆類は肥料を控えめにします。とうもろこしは肥料を好み、里芋は湿った土地を好みます。同じ場所で同じ野菜を作り続けると病気が出やすいため、輪作(場所のローテーション)も必要です。
企業も同じです。
成熟企業、高配当企業、成長企業、小型株、さらに業種によって求められる投資スタンスが異なります。値上がり狙いか、配当金狙いかですね。それぞれの特徴を理解することは、農業と同じく頭の体操になります。
ここまで書いていて思い出したのが、ウォーレン・バフェットの農地に関する考え方です。
バフェットさんは、農地の価値は毎年生み出される作物によって判断できると述べています。農地を購入した人は、毎日農地の値段を気にするのではなく、どれだけの収穫が得られるかに注目します。農地は資産だそうですが、農作業できる能力も資産だと思います。
株式も本来は同じです。
私たちは株価の上下ばかり気にしがちですが、本当に大切なのは企業が利益を生み出し続ける力です。農地が作物を生み出すように、優れた企業は利益や配当を生み出し続けます。
農業も投資も、短期間で結果を求めるものではありません。
天候や景気など、自分ではコントロールできない要素はたくさんあります。しかし、土づくりや種まき、企業分析や継続投資といった、自分でコントロールできる部分に集中することはできます。
両者の違いを挙げるとすれば、野菜作りのメリットは、体を動かすことが無料でできることですね。都心部の人はジムなどにお金を払って運動しますが、郊外〜田舎の人は美味しい自家野菜を獲得しながら運動できます。収穫した野菜を、知り合いにあげると喜んでもらえる点が挙げられます(人との繋がりを生みだす)。天候、季節にも敏感になります。一方、株式投資のメリットは、少額ながらも世界中の企業活動を支え、社会の変化(政治、戦争なども)に目を向けるきっかけを与えてくれます。
私は野菜作りと株式投資のどちらも好きです。
どちらも時間を味方につけて、他者や世界と繋がりつつ、少しずつ成果を積み上げていく営みだからです。
仕事以外の趣味としても、ぜひ株式投資と野菜作りの両方をおすすめしたいと思います。
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